第三回「東京大薪能」深見東州(半田晴久)出演
TOKYO MXテレビ 2000年11月5日放送 あらすじ
都会のビルの谷間にて
薪能というのは今、全国で200カ所ぐらいで行われているそうです。
神社、仏閣の境内や、公園の、お城の広間などで行われることが多いらしく、都会のビルの谷間の中で演じられるようになったのはつい最近のことだそうです。
能は、自然の風景となじむ芸術ですが、都会的な空間の中で見る薪能も、また違った味わいがありますね。
深見東州(半田晴久)インタビュー
今回は秋ですので、鬼シリーズと。私は男の鬼で、家元が女の鬼と。鬼が、男と女と2種類出てきますので、毎回そういうふうに、こう、メニューを考えましてね、初めて見た人が能に対する興味とおもしろさを持っていただく。それが、ま、能を広める日本人の文化のやっぱり誇りですので、世界のどの舞台芸術にも負けない、また、大きく影響を与えておりますので、それを皆さんが誇りに思っていただき、かつまた、若い世代は少しギャップがありますので、だんだん能は、薪能は盛んですけどね、この、習う人も少なくなっておりますので、それはもう京劇もそうですし、オペラもそうなんです。
ですから、伝統芸術というもののすばらしさをどこかで見て経験したら、興味持っていただけるんで、私たちの次の若い世代に、この伝統芸能のおもしろさ、よさ、知って、1人でも習う人が増えたらなと。どの流派でもいいですから、それを習っていただければもっとおもしろさがわかるんで、そういうことが、いつも思っておるところですね。
やっぱり21世紀は、私はもう、アジア、アジアの時代と言われていますけれども、アジアの時代の中でも私は日本人ですから、日本人のアイデンティティー、これはもう、日本の芸術、日本の、日本的経営、日本的な感性、このようなもの、室町時代に確立しましたね、芽生えは平安時代ですけどね、もう、たくさん世界に誇れるものがありますので、まず、アジアの時代の中で、日本、日本がどう役割を果たすかなんですけども、自分は日本人なんで、日本人としてのアイデンティティーをはっきりこう、持つために、これ、能もやりますし、お茶もお花もショーもやるわけですね。そうすると世界の舞台で日本人が尊敬していただける。ですからもうアジアの時代だと思いますんで、アジアの芸術、アジアの文化、アジアの考え方、これを発信していく必要があるんじゃないかと。そのためには、まず、日本人のアイデンティティー、次にアジア人のアイデンティティー、これがあって、世界に通用する21世紀の人じゃないか、そう思い、実践しているわけですけどね。
第三回 東京大薪能
開場時間前から長蛇の列
観客数4500名
能「土蜘」
能「黒塚」(白頭)
シテ(里女/鬼女): 宝生英照
ワキ(祐慶): 殿田譲吉
ワキヅレ(従者の山伏): 則久英志
間(従者の能力): 山本泰太郎
後見: 辰巳満次郎/水上優
狂言「萩大名」
狂言「萩大名」
シテ: 山本則直 アド: 山本則秀/大島寛治
後見: 加藤元
能「土蜘」
能「土蜘」
シテ(僧/土蜘の精):深見東州
ツレ(頼光):辰巳満次郎
ツレ(小蝶):辰巳孝弥
トモ(従者):澤田宏司
ワキ(独武者):殿田譲吉
ワキヅレ(独武者の従者):則久英志/野口能弘
間(独武者の下人):山本則重
後見:山内崇生/小倉健太郎/水上優/渡邉茂人
産経新聞掲載記事
ビルの谷に幻想一夜 都庁の広場で「東京大薪能」
産経新聞 2000.10.18 東京朝刊
伝統芸能を多くの人に楽しんでもらおうと、「第3回東京大薪能」(NPO法人世界芸術文化振興協会主催、産経新聞など後援)が17日、新宿区西新宿の都庁内の都民広場で開かれた=写真。近代的な高層ビルのはざまでの幻想的な舞台に約4500人の来場者が集まった。
冒頭で元参院議員で同協会理事の国広正雄氏が「能は人間のおかしさを表現する芸術。高度なユーモアだ」とあいさつ。続いて能楽評論家の堀上謙氏が、上演された能の「土蜘(つちぐも)」と「黒塚」、狂言の「萩大名」について専門家の立場から解説した。
今回上演された題目はいずれも、「初めての人でも楽しめるよう、厳かな雰囲気の中にも激しいアクションが取り入れられている」という。来場者らは薪が燃え盛るかがり火が揺れる中での、伝統的な演技に見入っていた。