オペラ「フィガロの結婚」
TOKYO MXテレビ 2005年10月30日放送 あらすじ
オペラ「雛祭りのフィガロの結婚」
「聖徳太子」「元禄のトラビアータ」「大正時代のボエーム」に継ぐ、NPO法人世界芸術文化振興協会(IFAC)オペラシリーズの第四弾。今回は、世界でももっとも人気の高いオペラの一つ、モーツアルトの「フィガロの結婚」を和の心で纏(まと)めます。
モーツァルト作曲「フィガロの結婚序曲」。日賀朗(フィガロ)と寿山奈(スザンナ)の結婚式の1日。伯爵のお屋敷は大騒ぎ。愛に生きる女性たちを描いた楽しいモーツァルトのオペラが、日本の雛祭りに形をかえて上演されました。
上演はイタリア語で、舞台、衣装などは和風という、オリジナルな演出は過去3作に続いて、大島尚志氏。美術も、3作の実績を高く評価されている星健典氏。東京二期会理事長栗林義信氏の音楽監督のもと、出演は、佐野正一、小林菜美、大貫裕子、大間知覚、筒井修平など、日本のオペラ界を代表する豪華な布陣である。さらに今回は、オーストラリアン・オペラ・スタジオ出身で、ドイツ・ヴィースバーデン・ヘッセン州立歌劇場で活躍中の、エマ・フォスターがケルビーノ役で出演する。また、北京中央音楽院から東京芸大大学院に進み、藤原歌劇団で活躍中のポン・カンリャンが、バルトロ役で登場という、国際色豊なキャスティングです。
また、これまでに、「聖徳太子」「ジェルモン」「マルチェロ」などの役を演じている、IFAC会長半田晴久(深見東州)氏はフィガロ役でステージを踏みます。
番組では、オペラのステージの模様や出演者のインタビューを交え、オペラの振興のみならず、西欧文化に日本の伝統文化を加え、新たな文化に育てようと努力する人たちの取り組みを紹介する。
第1幕 アルマヴィーヴァ伯爵邸
フィガロとスザンナは窮地の婚礼の日の朝。二人の新しい部屋。
フィガロ(深見東州)は、寝具を置くために鼻歌まじりで部屋の寸法を計っている。スザンナ(大貫裕子)は、髪飾りを誰よりも早くフィガロに見せようとする。しかし、フィガロは、この部屋が伯爵がスザンナを誘惑するのに好都合であることを知らされ、憤慨します。
初夜権(領主が新婦と一夜を共にできる封建的特権)を使おうとする伯爵の下心に、フィガロは、スザンナを守る決意をする。ここでアリア、「殿様がもし踊りをなさりたければ」が歌われるます。
まるでケルビーノと伯爵(佐野正一)の隠れんぼ。バジリオ(大間知覚)までもが来るので、スザンナは四苦八苦。隠れるケルビーノを発見した伯爵は、怒り心頭。愉快この上ないのはバジリオ。
第2幕 伯爵夫人ロジーナの部屋
庭師アントニオ(筒井修平)が現れ、二階から人が飛び降り、植木鉢が壊れたと訴えられます。さらに、マルチェリーナがバルトロとバジリオを連れて現れます。借金の証文を示し、フィガロとの結婚を許す判決を要求するシーン。フィガロとスザンナは窮地に立たされます。
第3幕 伯爵の部屋。後に結婚式の場。
スザンナとフィガロの結婚式の場。急きょ結婚式を行うことになったマルチェリーナとバルトロも加え、二組の婚礼が執り行われる。二人の花娘が祝いの歌を披露する中、スザンナはそっと伯爵に恋文を手渡す。彼はここでも夫人の計画とは気付かず、喜び勇みます。
第4幕 お屋敷内の庭園
いよいよ大詰。伯爵夫人とスザンナが入れ替わっていることを見抜けない人々が右往左往します。伯爵は夫人をスザンナと思い込み、宝石をプレゼントする。伯爵夫人の逢引き計画は功を奏し、伯爵は皆の前で自分の行いを妻に謝ります。夜明けと共に皆は賑やかに愛を讃え合い、ハッピーエンドの大団円となりました。見事な柳川の「さげもん」雛飾りを思わす舞台装置に、観客は圧倒され、大感動の幕切れとなったといえましょう。
スタッフ
指揮
河地 良智
演出
大島 尚志
総合プロデューサー
深見 東州
音楽監督
栗林 義信
副指揮
小屋敷 真
高野 秀峰
藤本 淳也
美術
星 健典
照明
奥畑 康夫
衣装
清野 佳苗
音響
仙頭 聡
舞台監督
小桜 邦彦
演出助手
手塚 優子
田中 維子
キャスト
フィガロ(日賀朗)
深見 東州
スザンナ(寿山奈)
大貫 裕子
伯爵夫人ロジーナ(露慈汝)
小林 菜美
アルマヴィーヴァ伯爵(有魔美馬)
佐野 正一
ケルビーノ(蹴美野)
エマ・フォスター
マルチェリーナ(丸地恵利奈)
諸田 広美
バルトロ(春瀞)
彭 康亮
バジリオ(馬尻男)
大間知 覚
ドン・クルチオ(豚来千代)
牧川 修一
アントニオ(庵頭仁王)
筒井 修平
バルバリーナ(晴針南)
上田 由紀子
花娘
柴田 恵理子
花娘
山口 清子
管弦楽
東京ニューフィルハーモニック管弦楽団
チェンバロ
奥谷 恭代
合唱
雛祭りのフィガロの結婚合唱団
毎日新聞 掲載
オペラ:「雛祭りのフィガロの結婚」上演
2005.08.24 東京朝刊
モーツァルトの有名オペラ「フィガロの結婚」の舞台となる伯爵邸を雛(ひな)飾りに見立てた「雛祭りの フィガロの結婚」(NPO法人・世界芸術文化振興協会主催、毎日新聞社後援)が9月15日18時半、東京・ 五反田のゆうぽうと簡易保険ホールで上演される。全4幕。演奏は河地良智指揮、東京ニューフィルハーモニッ ク管弦楽団。演出は大島尚志、音楽監督は栗林義信、総合プロデューサーはフィガロ役でも出演の深見東州の各 氏。伯爵役に佐野正一、伯爵夫人役に小林菜美、スザンナ役に大貫裕子の各氏らが出演する。